この前、昆山にある、京東(ジンドン)の無人仕分けセンター(無人倉庫)に行ってきました!
自分で書こうと思ったんですが、こちらの自社メディアによくまとまっているので、無人仕分けセンター(無人倉庫)にご興味がある方はぜひこちらを見てくださいm(_ _)m
どこ見てるかわからない「コンサルよりこ」ってのが私です。笑
というわけで、無人仕分けセンター単体がどうこう、ではなく、
無人仕分けセンターに始まり、最近色々なコンテンツを巡っていて感じたことを少し書きたいと思います。
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ブログタイトルが「結局中国は何がすごいのか」とは大きく出たもんだ、って感じですが
この無人仕分けセンターに始まり、無人コンビニやシェアサイクルなどの今日本でも話題になっている中国のサービスの優れている点は、
そのテクノロジーそれ自体というより(もちろんテクノロジーも素晴らしいのですが)、
- 不完全でも一旦始めてしまい、スピード感を持って改善を繰り返し、すぐに使い勝手の良いサービスを作り上げてしまうところ、
- 局所的な最適化ではなく良いユーザ体験を生み出す仕組みを作れるところ
だと感じます。
▼例えばこういうの。逆に万引きし放題の状態でよくスタートしたなって思う
無人仕分けセンターについては、主に上記の前者の話が中心なのですが、
無人仕分けセンターでも、完璧に無人で荷物が仕分けられているわけではありませんでした。
例えば、ベルトコンベア上の傾斜がきつすぎることもあり、小さくて軽い荷物はうまくベルトコンベアを上がらず、下に転がってしまうということが結構発生していました・・!
▼これくらいの大きさの荷物はうまく上に上がらずコロコロなっちゃう
映像だとこんな感じ
【中国の大手ショッピングサイト「京東」の無人配送センター③】
— たきさん@ちゃいなブログ (@takiyori0608) 2019年1月2日
小さい荷物はころころ転がって傾斜を登り切れない!笑
でも大丈夫、そんな時はわずかにいるスタッフが駆けつけてヘルプします。#たきさんの見たちゃいな pic.twitter.com/vqHVPJdkH9
ええっこれいいの?って思うんですが、でもこういうことは「問題」ではあるものの、全体オペレーションを揺るがしたり大クレームに繋がるような、「やばい問題」ではないんですね。
今回、無人仕分けセンターでインタビューにご協力いただいた京東の刑さんも「今後問題が発生したらその都度解決していく」「(今まで発生した問題も)現場ですぐに解決している」とお話しされており、問題に対してネガティブなお考えをお持ちでない印象を強く感じました。
▼左の方が刑さんです。色々丁寧に説明いただきました
日本だったら、「始める前に完璧にしなければ」「まだ不完全だからもう少し検討してから始めよう」となりがちな印象があります。
先ほどの荷物の件も、「ベルトコンベア上を荷物が転がったら荷物が傷つくかもしれないからもう少し調整しよう」、となるかもしれません。
ところが、中国には「少しくらいうまくいかなくても、修正しながらやればいいだろう」という気概と、実際にやり切ってしまう力があると感じます。
▼とは言え、もうちょっと完璧にしてからやってって思うこともあるけどね(新しく出たタクシーアプリ、出たばっかりの時に使ったら電話機能使えなかった)
システムを使う従業員側も、「完璧なものを使えるのが当たり前」と思っておらず、システムの多少の不具合には慣れていて臨機応変に対応してくれます。
(私が先日行ったお店では、バーコード読み取り機が壊れており、お店の機器でスマホ決済ができなかったのですが、店員さんが個人のAlipayへの送金で代替してくれました)
そのような、失敗を過度に恐れず、発生してしまったトラブルには臨機応変対応しつつ、試行錯誤を繰り返しながらいいものを作り上げていく風土が中国の急速な発展に繋がってきたのだと、今回の無人仕分けセンターを通してより一層強く感じられました。
▼これなしの状態は考えられないほど生活に根付いてるシェアサイクルも相当多産多死
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もうちょっと個人的なトピックに引き寄せて書きますと、
よく「中国のデジタル最先端って感じのところ連れてって!」と言われるんですが、
で、それは全然行きたいのもわかりますし、私はアテンドさせていただくの好きなのでどこへでもご一緒するのですが、
中国は、デジタルが生活に浸透している(OMOが根付いてる)こと、その背景にある仕組みの作り方とそれをやりきっちゃう力がすごいのであって、
単発のテクノロジーがすごいという訳ではない!というのは強調したい気持ちが強いです。
▼人気の見学場所「盒马鲜生」(アリババが運営しているスーパー)。
「デジタルの最先端が見れる場所」と言われると、言葉通りに解釈すると、別にないかも・・と思ってしまいます。
もちろん「デジタルの最先端」で何をイメージされているかによるのですが、
「技術の最先端」という意味でいうのであれば
無人コンビニも最先端の技術ってわけではないし(日本では技術的に無理というものではないと思う。あと無人と言いつつ店員いる!)、
モバイル決済は日本にもあるし、こちとら日本のSUICAみたいな非接触型は流行ってなくて、紙に印刷されたQRコードをスキャンしてるし(やってること自体の先進度は低い感)、
シェアサイクルも自転車のマッチングアプリだし。。。
それよりも、全体のエコシステムがすごいし、形に持っていってることがすごい。
▼お寺のお賽銭もQRコードで払えたりする(なんとなく抵抗はあるw)
誤解がないように・・・なのですが
そもそも、結構中国に対してネガティブなイメージだったり、遅れているというイメージを持っている方は依然として多いように思うので
現状を知っていただき、「モバイル決済すごい!中国って便利なんだな」「無人コンビニなんかすごい、中国進んでる!」など思っていただけるだけで
中国に住む日本人として、私はかなり嬉しいなーと思うのですが、
(私の中国に対する考えや中国で働いている理由などは、機会があったら書きまする)
そこから一歩進んで、
なんでこれが生活に根付く形で実現できてるんだろう、とか、
これを実行している主体がどういう世界を目指してて、その中でこの事業はどういう一歩なのか?などを、知る・考えられるとより学びがあるような気がしますし、
特に「中国のデジタル視察」などで中国で来る場合は、そのようなことを考えることが、日本・会社・自分等々にとっての意味に繋がるのかなーと思っています。
私もそういうことを考えつつ色々発信していきたいと思う次第です・・・
最後にもう一言・・・!
今回は中国の実行力の凄さに焦点当てて書きましたが、同時に日本の慎重さやきめ細やかさなどもすごいと思っています。圧倒的に信頼できる。
上記含め、上海に来て「やっぱ日本すごいな」と思うこともたくさんありました。
そういうのも含めて「日本はもうだめ、やっぱ中国の時代だ!」みたいな論調は疑問だったりします。(その辺りについてもまた書けたら書きます。)
漠然としていてすみませんが、今日はこんな感じで!
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最近ありがたいことに、アテンドの相談・同行依頼から中国ECの相談まで、お問い合わせを受けることが多くなって来ました
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