中国のユーザの購買行動やその裏にある行動原理を理解をするために、社内でもユーザインタビューをしています。
インタビューをしているとわかるのですが、彼らは企業を信用していないからか、日本以上に「他のユーザのその商品/店舗への評価」を気にします。
(インタビューでのおもしろ発見は、また別記事で書きますね)
ユーザ「このお店はこの3項目どれも評価が高くていいなって思う」
私「うんうん、ですよね(4.8とかむっちゃいいじゃん!)」
▼一番右の三項目がお店の点数。店名は青色でカバーしております、以下同様
ユーザ「でこっちは、4.7だから微妙、やめとこうかなって思う」
「4.7だから微妙」
!!!
4.7で微妙!?
こちとら食べログ3.5で喜んでいるというのに!?!?
でも確かに4.7の数字の横に「低」ってはっきり書いてあります。
そういえば、思い出してみると外卖(ごはんのデリバリ)してくれる配達員さんの満足度も軒並み95%以上。それ以下の人を見たことありません。
日本で言うところの食べログ的な「大众点评」に載ってるお店も軒並み評価高い。
会社の最寄り駅近の店を調べてみたら、出てきたやつさくっと全部4点以上・・・
こちとら食べログ3.5で(略
もひとつ。
以前、中国で中国人に対して定量調査をやった時に、満足度が異様に高く出たことがありました。
その時は5段階評価で満足度を聞いたんですが、5が9割以上で、わずかにある4とか3のコメント欄には、それで本当に4つける?みたいなすごく悪いコメントが書いてあったり。
というところから考えるに、5段階評価の満足度調査の場合、日本だと「普通」は満足度3ですが、
中国では「普通」が満足度5で、4以下は全部悪い評価と捉えた方がいいような気がします。
以下推測ですが、理由としては、
商品・サービスは自分の要求を満たしてくれれば良く(=「普通」)、それ以上(「普通」以上)の商品・サービスは必要ない/存在しない、という考えだから
というのがあるのかなと思っています。
先日書いた記事の話に通じますが、自分の顕在ニーズが最短で満たされること、が良いことだとすると、それが満足度5に設定されているのでは。
(そうすると潜在ニーズが満たされた!期待値超え!みたいなのは測定できなくなってしまいますね)
takiyori-china.hatenadiary.com
また、普通=満足度5、となるのは、企業への信用度/商品・サービスの標準的な質が低いため、普通に商品・サービスを提供してもらえさえすれば満足、という背景もあるのかもしれないと感じました。
こういうのは本当に面白い。
ごちゃごちゃ考えてみましたが、各国の人のスコアリングの捉え方の差については、学術的な研究があるかもしれないですね・・(ご存知の方はご教示いただきたいです)
今日はおしまい。