「シェア〇〇」という名前のサービスが増えています。筆頭はシェアサイクル。
すでに色々なところでニュースになっていますが、 街中に自転車があり、アプリで自転車についているQRコードをスキャンして解錠、どこに乗り捨ててもOKというサービスです。※
※正確には「歩道上の自転車止めるエリア」ですが、ほぼどこにでもそのエリアがあるので「どこに乗り捨てても」と行っても差し支えないくらい
▼いたるところに自転車があります。専用アプリでQRコードをスキャンして解錠
シェアサイクル事業には60社以上が一気に参入したものの、多くが1年以内でバタバタとダメになっており(下図参照)、今はほぼmobikeとofoの2社に集約されています。(上の写真中のオレンジの自転車がmobike、黄色がofo)
2017年、中国スタートアップ死亡リスト - 中華IT最新事情
60社も参入していたということ=明らかに後発でもどんどん入ってくるという精神と、それで投資が集まるということ、すごい。
(そして小鳴単車の「CEO行方不明」って怖い・・・生きて・・)
▼こちらもご参考
「墓場」に「夜逃げ」も……正念場迎える中国のシェア自転車 WEDGE Infinity(ウェッジ)
私自身は地下鉄に乗るのがあまり好きではないこともあり、シェアサイクルを大活用しています。
通勤は自転車。休日にどこか行くときも、3キロくらいまでは自転車に乗ることにしてます。(ほどよい運動にもなる)
東京に住んでいたときも自分の自転車で通勤してたんですが、その時と比べると、
- 自転車をどこに停めようと悩むことがなくなった(ほぼどこに停めても良いため)
- 自転車を停めた場所まで行くのがめんどい、ということがなくなった(その辺にいくらでもあるため)
- 自転車で出勤→会社からみんなでタクシーで飲みへ→翌日徒歩出勤だるい、みたいなのがなくなった
という感じで、自分のものであるが故の管理コストがなくなったことで、物理的・心理的ストレスがかなり減りハッピーです。
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「シェアサイクル」に始まり、中国は最近「シェア」ビジネスに投資が集まっているようです。
シェア充電器、シェア雨傘、シェア洗濯機(要はコインランドリー?)、シェア昼寝部屋(要はカプセルホテル?)などなどなどなど。
(ちなみに充電器しか見たことない・・雨傘は上海にもあるらしいので見たい・・)
ただ下記の記事にあるように、中国における「シェア」ビジネスは、おそらく一般に想像されるAirbnbのような「個人の遊休資産をシェアする」というものではなく、「企業が提供する何かをスマホで決済して借りることができる」、というビジネス。
中国の「シェアエコ」は日本より先進的か | プレジデントオンライン | PRESIDENT Online
本来シェアエコの理念として存在したはずの、資源の節約や対等な個人同士の資源の交換・共有といった思想は、中国ではかなり希薄である。なかには単なる「スマホで決済できるだけの旧来型ビジネス」にしか見えないものが「シェア○○」を名乗っている例も少なくない。
「シェア」とつくと投資が集まるからそう名乗っているという側面も大きいと思うので、「シェア〇〇」でくくって論じるものではないかもしれませんが、、2018年にどうなるのでしょう。
個人的には、上記記事で出ているような「シェア〇〇」は、そんなに流行らないだろうなと思ってしまいます。そもそもニーズ発生頻度が低いよな、と。
例えば「シェア充電器」だと職場で充電してしまうことが多く電池なくなりにくい&モバイルバッテリー持ち歩いている人が多いですし、「シェア雨傘」だとそんなに頻繁に雨降らない&朝から雨降ってたら自分で持って出てしまうよなあと。
(中途半端な顕在ニーズ、に刺しに行っている感じがします)
あとは流行るかどうかという話とは別で、私の好みの話なのですが・・
私は個人的には、人間の行動・生活を変えるようなサービスが好きです。
シェアサイクルは、ラストワンマイル(目的地までの最終区間)の新しい選択肢を提供し、もともとそこにかかっていた時間的・金銭的・心理的コストを格段に減らすことで人々の生活を変えた、というサービスだと思っています。
なのでとても素敵なビジネスだなと思っているのですが、同じ「シェア○○」でも、雨傘・充電器などはそういう性質のサービスにはならないかなあと感じます。
「シェアビジネス」の動向についてはまた書きたいなと思います。
今日はそんな感じで!中国のみなさまは引き続き良い春節休みをー!